Archive for the ‘公務員の働き方’ Category

12月議会の論点 人事院勧告で市長・議員報酬も値上げ?

12月議会に市長や議員の期末手当(ボーナス)値上げ案が出ています。
市民が生活に苦しむ中、お手盛りの値上げは許されません。
議員の報酬水準を決める「特別職報酬審議会」にかけていないなど、手続きも疑問があります。
議会で質疑を行いましたが、基礎的な話を振り返って全国の議員にも知らせました。
++++
人事院勧告に伴う一般職と特別職(多くの自治体は議員も含む)が提案されています。
特に初めての方は「何のことやら」と思われるでしょうから、基礎的な資料を紹介します。
○人事院勧告とは
http://seesaawiki.jp/w/ioku3/d/%A4%B9%A4%B0%A4%CB%CC%F2%CE%A9%A4%C4%B4%F0%C1%C3%C3%CE%BC%B1%A1%A1%BF%CD%BB%F6%B1%A1%B4%AB%B9%F0%CA%D4
○特別職をめぐる議論
http://seesaawiki.jp/w/ioku3/d/%B4%FC%CB%F6%BC%EA%C5%F6%A4%CE%CC%F2%BF%A6%B2%C3%BB%BB
○国の資料
平成26年度人事院勧告
http://www.jinji.go.jp/kankoku/h26/h26_top.htm
国の説明
http://www.jinji.go.jp/kyuuyo/f_kyuuyo.htm
古い資料ですし、給料が下がっている時期なので今回の論点とは違う部分もあります。
まず最初に誤解されていますが「人事院勧告」とは「『国』の公務員の給与水準を民間と比較して決めたものを人事院が勧告する」というものです。
ではなぜそれが自治体の給与の水準につながるのでしょうか。
基本的に地方公務員法第24条3項に「職員の給与は…」という項目があり
「生計費」「国」「他の地方公共団体職員」「民間事業の従事者」「その他」を基準にして決めるとされています。
人事委員会という委員会が設置されていて、自治体で民間給与水準などを調べられるところ(主に都道府県)はそちらで上の基準をもとに
決定しますが、皆さんの自治体や高砂市のように人事委員会がないところはそういうわけにはいきません。
そこで「国」であり、「民間事業の従事者」と比較している「人事院勧告」が使用されるわけです。
で、ここまでは一般職員の話(教育長も一般職員ですが)、市長、副市長、企業管理者、議員は特別職であり、本来は上の考え方とは
別のはずです。しかし、なぜか「人事院勧告に従い」と説明されてアップやダウンをすることになります。
緑系の議員はそこに抵抗していろいろな議論をしています。
特に「特別職報酬審議会」をめぐる議論をしています。
ぜひご参考に。

おかしな視察費の計算

高砂市の例規類集を見ればわかりますが、高砂市役所の視察費の計算方法は独特です。
(もっとも、これは全国ほぼ同じ傾向ですが)

交通費は概算払い、宿泊費は一律1万3000円さらに「日当」があります。
これでは「視察にいったら儲かる」という変な話になりかねません。
(実際、それなりのホテル8000円のものに泊まっても
5000円が浮く計算)

大阪のオンブズ活動をしている市民が調査していたので、私からも「県内でも日当支給はあるよ」と教えたらびっくりしていました。

第93号に書く予定の記事の条文を書いておきます。

 

高砂市職員等の旅費に関する条例、規則より

(日当)

第11条 日当は、旅行中の日数に応じ1日当たりの定額により支給するものとし、その額は2,100円とする。

2 前項の規定にかかわらず、規則で定める地域への旅行の場合は、同項の日当の定額の全部又は一部を支給しない。

3 前項の日当の額は、規則で定める。

(宿泊料)

第12条 宿泊料は、旅行中の夜数に応じ1夜当たりの定額により支給するものとし、その額は13,000円とする。

 

(以下第11条の3を受けた規則より)

○日当の全部を支給しない地域

相生市、明石市、赤穂市、小野市、加古川市、加西市、加東市、神戸市、たつの市、西脇市、姫路市、三木市

○日当の一部を支給しない地域 [条例第11条第1項に規定する定額の2分の1の額=1050円ですね]

上記以外の兵庫県下の市町、大阪市


高砂市の公務員給与と全国民間賃金

最新号のニュースの記事で使用したものの元データを示しておきます。

○高砂市の人事行政運営等の状況の公表 P3
http://www.city.takasago.hyogo.jp/index.cfm/8,1178,c,html/1178/20130819-140812.pdf

○国税庁平成24年度調査
http://www.nta.go.jp/kohyo/tokei/kokuzeicho/minkan/gaiyou/2012.htm

平成24年分の調査結果からみた主要な点は、次のとおりである。

  • 1 平成24年12月31日現在の給与所得者数は、5,422万人(対前年比0.1%減、5万人の減少)となっている。また、平成24年中に民間の事業所が支払った給与の総額は191兆996億円(同2.4%減、4兆7,000億円の減少)で、源泉徴収された所得税額は7兆8,240億円(同3.1%減、2,539億円の減少)となっている。
    なお、給与総額に占める税額の割合は4.09%となっている。
  • 2 1年を通じて勤務した給与所得者については、次のとおりとなっている。
    • (1) 給与所得者数は、4,556万人(対前年比0.2%減、10万人の減少)で、その平均給与は408万円(同0.2%減、1万円の減少)となっている。
      男女別にみると、給与所得者数は男性2,726万人(同0.2%減、5万人の減少)、女性1,829万人(同0.3%減、6万人の減少)で、平均給与は男性502万円(同0.4%減、2万円の減少)、女性268万円(対前年同水準)となっている。
      正規、非正規の平均給与についてみると、正規468万円、非正規168万円となっている。
    • (2) 給与所得者の給与階級別分布をみると、男性では年間給与額300万円超400万円以下の者が524万人(構成比19.2%)、女性では100万円超200万円以下の者が489万人(同26.7%)と最も多くなっている。
    • (3) 給与所得者のうち、3,838万人が源泉徴収により所得税を納税しており、その割合は84.2%となっている。また、その税額は7兆2,977億円(対前年比3.4%減、2,552億円の減少)となっている。
    • (4) 給与所得者のうち、年末調整を行った者は 4,128万人(対前年比1.8%減、76万人の減少)となっている。このうち、配偶者控除又は扶養控除の適用を受けた者は1,373万人(同2.4%減、34万人の減少)で、扶養人員のある者1人当たりの平均扶養人員は1.48人となっている。

地域手当3%→6%? 人件費はもっと透明に

気になっている記事がデータベースで検索できたので掲載しておきます。

うーん、本給は国の指示で減らしつつ、地域手当の率を増やすとは…余計に市民にわかりにくいのでは。見えやすい本給は減らして、見えにくい地域手当増額とは。

地域手当は常に本給の隠れ蓑に使われてきました。こういうことをしているから、公務員問題で「バッシング」か「無条件擁護」かの極端な話になります。

東播4市町で冬のボーナス 3市町が前年比減
(2013/12/11 水曜日 地方版)

東播4市町で冬のボーナス
3市町が前年比減

東播2市2町で冬のボーナス(期末勤勉手当)が10日、支給された。一般職(管理職を含む)の平均支給額は高砂を除き、3市町が前年に比べてマイナス。支給対象となる職員の若返りなどが理由という。
高砂は本給に占める地域手当の支給率を、近隣市の3%から国の基準(6%)に変更し、0・6%増となった。
一般職の支給率はいずれも2・05カ月分。ただ、高砂は副課長以上の管理職で勤務成績を反映させ、2・13~2・05カ月分とした。
市町長ら特別職の支給率は加古川市が2・025カ月分。高砂も2・025カ月分をベースに、行財政改革の一環で45~31万円を減額した。稲美、播磨町はともに2カ月分とした。(大久保斉)
各市町の支給額は次の通り(総支給額は一般職の合計)。

【加古川市】総支給額12億5677万円▽市長274万5900円▽副市長230万8500円▽議長170万1000円▽副議長153万900円▽議員140万9400円
【高砂市】総支給額8億1660万円▽市長190万6695円▽副市長156万7520円▽議長113万3725円▽副議長102万4375円▽議員91万7050円
【稲美町】総支給額1億1368万円▽町長171万4228円▽副町長148万8762円▽議長90万1587円▽副議長69万5200円▽議員64万887円
【播磨町】総支給額1億2441万円▽町長182万1600円▽副町長155万4960円▽議長89万1000円▽副議長68万2000円▽議員62万7000円


高砂市の職員の給与は…

ニュースにも書きましたが、公務員給与を議論する時に一番のネックは情報公開です。

例えば、統計調査では「月額平均」という形で示されます。

職員給与月額

34.5万円とまあまあかなと思いきや、「給料」より高い「給与」という数字が出てきて戸惑います。
年収ベースの方がわかりやすいのに最近までそうした統計がないので比較もしにくいのです。

平成23年度人件費

ということで、上のような資料が出るようになってきて年収を公開するようになって実態も見えてきました。
ニュースで取り上げた普通会計の職員年収「632万円」はこの資料をもとにしています。

でも、実は私もあえて書きませんでしたが、以下の二つのトリックがあります。
(1)下水道・水道職員は720万円以上。
(2)類似団体は601万円。それに比べるとまだ高い。 このあたりは詳細な分析が必要です。

以上の資料は

給与・定員管理等の公表
http://www.city.takasago.hyogo.jp/index.cfm/8,1178,97,467,html

で見る事ができます。他に

人事行政の運営等に関する公表
http://www.city.takasago.hyogo.jp/index.cfm/8,1178,97,467,html
というデータもあります。

このあたりは国の指導のおかげ。現在では全国どの自治体でもこの資料は整備されています。
逆に言えば、「上からやらされている」から情報公開が進んでいる…悲しい事ですね。